葬儀の基礎知識
葬儀のマナーについて 2020.07.16

会社に葬式の連絡をするときの基本マナーや注意点を解説


親族に不幸があり自分が遺族である場合は、葬儀の準備を行います。それ以外でも通夜や告別式に参列するため、休暇を取る必要があります。

特に前者の場合、葬儀社やお寺、他の親族への連絡などに追われ、職場への対応がおざなりになってしまいがちです。しかし連絡が遅れると会社に迷惑をかけてしまいますので、なるべく早めに知らせることが大切です。

今回は、会社に葬儀の連絡をする時の基本的なマナーや、連絡する際の注意点についてご案内します。

会社編:親族の葬儀があることを伝える相手



会社に親族の葬儀があることを伝える場合、連絡すべき相手は大きく3つに分けられます。

1. 直属の上司はまず最初に連絡



身内の不幸の知らせを受けたら、まず直属の上司にその旨を伝えましょう。

部下の忌引き休暇を管理するのは直属の上司です。社員が休んでいる間の仕事の引継ぎや、取引先への対応なども行います。そのため迷惑をかけないためにも優先的に連絡する必要があります。

上司に親族の葬儀があることを連絡した後、葬儀の日程など詳細が決定次第、改めてメールやFAXで伝えましょう。

2. 人事担当は葬儀後の見舞金・埋葬料といった手続きでも連絡する



一般的には、直属の上司が社内への連絡や参列の準備などの指揮をとりますが、会社によっては冠婚葬祭に関する事務の一切を人事部などが管理していることがあります。

人事部へ連絡をするよう上司から指示を受けた場合や、社内規定で人事部への連絡が決まっている場合は、人事担当にも連絡を入れましょう。

なお、人事部などの管理部門は、会社からの慶弔見舞金や、健康保険組合からの埋葬料(葬祭費)といった助成金の支給手続きを請け負っています。

葬儀前の報告が不要でも、自身が喪主や遺族だった場合、葬儀後は社内規定に則り、人事部に連絡して必要な手続きについて相談しましょう。

3. 同僚は個人的に連絡する必要はない



忌引き休暇を取得したことは、直属の上司が社内に伝達しますので、個人的に同僚や部下に連絡する必要はありません。

ただ、本人にしかわからない業務の引継ぎや進行中のプロジェクトがある場合は、忌引き休暇中の対応について具体的な指示を伝えておいた方がよいでしょう。


取引先への連絡は基本的に不要



忌引き休暇を取得すると取引先との業務に滞りや支障が生じる可能性があります。

ただ、故人との特別な関わりでもない限り、取引先が葬儀に参列をしたり、弔電を打ったりすることはありません。

そのため、取引先に忌引き休暇を取得する旨を伝えると、香典の催促と受け取られてしまう可能性があります。

場合によっては今後の関係に影響しかねませんので、取引先との業務については上司に一任するのが無難です。

会社に葬儀の連絡をするときの方法とマナー



親族の葬儀があることを会社に伝える方法は、大きく分けて3つあります。

連絡する時の時間帯や、伝える内容に応じて複数の方法を使い分けましょう。

1. 口頭で伝える際は電話でもOK



メールやFAXの場合、相手が内容を確認するまで時間がかかる可能性があります。不幸の知らせを受けたら、まず口頭で親族の葬儀があることを伝えましょう。

自身が喪主または遺族である場合、準備で多忙になりますので、対面ではなく電話で伝えてもOKです。

不幸の知らせを受けた時点では、葬儀の日程など詳細は決まっていない段階です。親族が亡くなったことと、忌引き休暇を取得したい旨のみを伝えます。

2. メールで伝えても後ほど電話をする



先方が電話に出ない、または電話をするのがはばかられる時間帯の場合は、取り急ぎメールで訃報を知らせます。

ただ、メールは取り急ぎの連絡に過ぎませんので、後ほど改めて確認の電話をかけましょう。

事情が事情ですので、LINEなどのメッセージアプリを使って連絡しても失礼にはあたりませんが、たとえ「既読」が表示されたとしても、社会人のマナーとして確認の電話を忘れないようにしましょう。

葬儀の段取りが決まったら、葬儀の日程や場所などをメールで伝えます。

口頭で説明すると、誤った情報が伝わる可能性もありますので、詳細は文面にして送付した方が先方も安心です。

3. FAXで伝える



メールの代わりにFAXで親族の不幸を職場に伝えることも可能です。

ただ、いつでもどこでも確認できるメールとは異なり、FAXは出社しなければ内容を確認できません。

また、特定の人だけに知らせたい場合はFAXではなく口頭やメールで伝えましょう。


家族葬・密葬の場合は、必ずしも会社に連絡する必要はない



最近は身内だけでしめやかに故人を送り出す「家族葬」や「密葬」を行う方が増えています。

家族葬や密葬は、一般的な葬式に比べて小規模で、参列者も限られています。そのため土日を利用すると忌引き休暇を取得せずに葬式を行うことも可能です。

その場合、会社への連絡は不要ですが、弔事見舞金などの助成金の支給は社内規定によるため、自分が勤めている会社の規定を確認しましょう。

家族葬・密葬を会社に伝える場合、内容には細心の注意を!



出勤日と葬儀の日が重なった場合は、忌引き休暇を取得します。その際は家族葬・密葬であっても会社への連絡が必要です。

連絡方法は一般の葬儀と同じです。家族葬・密葬を行うことが決まった時点で、必ず会社にその旨を連絡しましょう。

内容がうまく伝わらないと、上司や同僚が葬儀に参列するためにスケジュールを組んでしまう可能性があります。

また、家族葬や密葬では基本的に香典や弔電は辞退します。葬儀のスタイルと共に、香典や弔電は不要であることをきちんと伝えましょう。


会社に葬式の連絡をするときの言葉・文面の例を紹介



親族の葬儀がある旨を会社に連絡する場合、必要なことを正確に伝えることが何より重要です。伝え漏れがあると、会社側も対応に困ります。

電話やメール、FAXをする前に、あらかじめ伝える内容・文面を整理しておきましょう。

ここでは連絡手段別に、会社に葬儀の連絡を伝える時の例文をご紹介します。

例文1:電話で伝える場合



おはようございます。○○です。実は昨日、祖母が他界いたしまして、葬儀に参列することになりました。

つきましては○月○日から○日までの○日間、忌引き休暇をいただきたいのですが、よろしいでしょうか。

(了承をもらった場合)

ありがとうございます。通夜や告別式の日程は決まり次第、改めてメール(またはFAX)でご連絡いたします。

何かとご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。


例文2:電話で伝える場合



お疲れ様です。○○です。実は本日、○○県にいる父が亡くなりました。

私が喪主を務めることになりましたので、移動日も含め、○月○日から○日間、忌引き休暇をいただけないでしょうか。

ありがとうございます。休暇手続きの書類は後日提出いたします。

また、休暇中の仕事の引継ぎは○さんにお願いする予定です。

ご面倒をおかけしますが、よろしくお願い致します。


例文1:メールで伝える場合



件名:忌引き休暇の取得について

本分:
○○部署 部長○○様

お疲れ様です。○○です。

私事ですが、○月○日に私の母が他界いたしました。

つきましては、○月○日~○月○日まで忌引き休暇を取得させていただきたいと存じます。

夜分でしたので、取り急ぎメールでお知らせいたします。

明朝、改めてお電話で報告いたします。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。


例文2:メールで伝える場合(葬儀の詳細も伝える場合)



件名:父親の訃報のご連絡

○○部署 課長○○様

お疲れ様です。
実は本日、父が永眠いたしました。
夜分遅い連絡だったため、取り急ぎメールでの連絡になりましたことをご了承ください。

つきましては、忌引き休暇取得のお願いと、葬儀の詳細をご報告いたします。

死亡者氏名:○○○○
年齢:享年○歳
死亡日時:○○年○月○日 午前(午後)○時○分
続柄:父
通夜:○○年○月○日○曜日 午後○時
葬儀告別式:○年○月○日○曜日 午後○時より○時まで
場所:○○(住所、電話番号)
物式:○○ 喪主:○○(長男)

忌引き休暇について:○月○日から○月○日までの○日間、忌引き休暇の申請をいたします。

休暇中の連絡先:○○-○○-○○
自宅住所:○県○市○町○番地○

明朝、あらためて電話にてご連絡いたします。
お手数をおかけしますが何卒よろしくお願い申し上げます。


例文3:メールで伝える場合(家族葬の旨を伝える場合)



件名:祖父の訃報のご連絡

○○部署 部長○○様

お疲れ様です。○○です。

実はかねてより病気療養中だった祖父が本日逝去いたしました。

つきましては、通夜・葬儀に参列するため、忌引き休暇の取得を申請したく、以下をお知らせいたします。

通夜:○年○月○日
葬儀・告別式:○年○月○日
場所:○○(住所・電話)
忌引き休暇:○月○日~○月○日まで忌引き休暇の申請をいたします。

なお、通夜および告別式は故人の遺志により、近親者のみの家族葬を行います。
誠に勝手ながら、ご会葬およびご厚志はご辞退申し上げます。

○○部署 ○○
緊急連絡先:○○-○○-○○


会社に葬儀の連絡をする際の注意点



会社に葬儀の連絡をする場合、特に気を付けたいポイントを5つご紹介します。

1. 忌引き休暇の日数を確認する



通夜や告別式が出勤日と重なる場合や、自身が喪主・遺族として葬儀を取り仕切る場合、移動日や準備期間を含めて忌引き休暇を取得する必要があります。

忌引き休暇の日数は故人との関係が近いほど長く、配偶者なら10日間程度、両親なら7日間程度、兄弟姉妹や祖父・祖母なら3日間前後が一般的です。

ただ、実際の忌引き日数は会社によって異なります。忌引き休暇を申請する場合は、あらかじめ就業規則を確認しておきましょう。

なお、忌引き休暇に平日・休日の区別をすることはほとんどありません。

たとえば祖父母の葬儀に参列するために金曜日から3日間の忌引き休暇を取得する場合、忌引き扱いになるのは日曜日までと考えておきましょう。

2. なるべく早めに連絡する



親族に不幸があった場合、親戚への連絡や葬儀の段取りなど行い多忙になりますので、会社への連絡は早めに済ませましょう。

訃報を受けたのが夜間や休日だと、上司への連絡を躊躇してしまいがちです。

しかし忌引き休暇を取得する場合、上司も社内への通達や取引先への対応、進行中の業務などの調整に追われることになりますので、なるべく早めに知らせるほうがよいでしょう。

夜間の場合はメールやFAXで連絡し、翌日あらためて電話連絡するのがベストです。

3. 必要なことを確実に伝える



会社に葬儀があることを連絡する際、伝えておくべき主な内容は以下の通りです。

①亡くなった人との続柄
②亡くなった日時
③本人が喪主かどうか
④通夜・告別式の日時と場所
⑤葬式のスタイル
⑥香典・供花の辞退(必要に応じて)

③~⑥に関しては、訃報を受けた段階ではまだ決まっていない場合もあります。決まり次第、改めて連絡する必要があります。

ただし、会社側はスケジュールの調整や香典・供花の準備がありますので、葬儀の直前ではなく決定した段階で早急に連絡しましょう。

4. 業務の引継ぎを行う



忌引き休暇を取得する場合は、上司や同僚、部下などに業務の引継ぎをお願いしましょう。

出社して直接指示するのが理想ですが、葬儀の準備などで余裕がない場合は、電話やメールなどで伝えてもかまいません。

特に自分しかわからない事や、急いで対応しなければならない案件がある場合は、優先的に伝えましょう。

また、休暇中にどうしても自分が対応しなければならない場合に備え、緊急連絡先を伝えておきましょう。

ただし会社からの連絡に応じられる機会は限られますので、メールやLINE、留守番電話を利用するのがおすすめです。

5. 必要書類の確認



忌引き休暇の申請は、あらかじめ上司に口頭で伝えておけば、書類は後日提出してもかまいません。

一般的には社内規定の用紙に必要事項を記載し、上司や人事部などに提出します。会社によっては会葬礼状や死亡診断書などの提出を求められるケースもあります。

忌引き休暇の取得にあたり、どんな書類が必要なのかは会社ごとに異なりますので、就業規則をチェックして必要書類の内容を把握しておきましょう。


【まとめ】

身内に不幸があった場合は、必要なことを迅速かつ確実に会社へ伝えましょう



親族に不幸があった場合は、なるべく当日中に勤務先の会社へ訃報の連絡を入れましょう。

夜間の場合はメールやFAXでもかまいませんが、翌日に電話をかけ、あらためて口頭で報告するのがマナーです。

訃報を受けると動揺してしまい、なかなか冷静な行動を取れなくなりますが、会社への連絡が遅れると社内の人間に迷惑がかかります。なるべく迅速に、かつ正確な情報を伝えるよう心がけましょう。

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