家族葬の流れを徹底解説｜事前準備から当日の段取りまで

家族葬は、近親者や故人と親しかった方々だけで執り行う小規模な葬儀形式として近年受け入れられています。一般的な葬儀と比べて費用を抑えられるだけでなく、故人との最後の時間をより親密に過ごせるメリットがあります。しかし、家族葬を選ぶ方にとって「具体的な流れがわからない」「何を準備すべきか」といった疑問は尽きないでしょう。

本記事では、家族葬の準備から当日の進行、その後の法要や手続きまで時系列に沿って徹底解説します。初めて喪主を務める方も安心して葬儀に臨めるよう、必要な知識を分かりやすくお伝えします。

家族葬とは？特徴と一般葬との違い

家族葬を計画する前に、その特徴と一般的な葬儀との違いを理解しておきましょう。

家族葬の定義と基本的な特徴

家族葬とは、主に家族や親しい友人など、限られた参列者で行う小規模な葬儀のことです。近年では「身内だけで静かに送りたい」というニーズから選ばれることが増えています。家族葬には明確な定義はないものの、参列者を20名前後に抑えるのが一般的です。

一般葬と比べてシンプルな式次第が特徴で、通夜・告別式を1日で済ませる「一日葬」の形式を取ることも少なくありません。また、親族だけで行う「家族のみの葬儀」から、親しい知人も招く「身内葬」まで、規模は様々です。

一般葬との主な違い

家族葬と一般葬の主な違いは以下の点にあります。

項目	家族葬	一般葬
参列者数	少人数（5〜30名程度）	多人数（50名以上が一般的）
費用	比較的安価（50〜150万円程度）	高額（200万円前後が一般的）
会場	小規模な斎場や自宅など	大きな斎場や式場
儀式の内容	シンプルで簡略化されたケースが多い	伝統的な儀式を網羅
香典	辞退するケースも多い	一般的に受け取る

家族葬を選ぶメリット・デメリット

家族葬には様々なメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。故人や遺族の希望に合った選択をするために、両面を理解しておきましょう。

【メリット】

• 費用負担が軽減できる
• 親しい人だけで心を込めたお別れができる
• 準備や手続きの負担が比較的少ない
• 高齢の遺族への負担が少ない
• 日程調整が比較的容易

【デメリット】

• 参列者の範囲決めが難しい場合がある
• 知らせていない方が後から知って不快に感じる可能性
• 香典辞退の場合、費用全額を遺族が負担することになる
• 社会的なお別れの機会が限られる

家族葬の事前準備と流れ

家族葬の実施にあたっては、事前の準備から当日の流れまで理解しておくことが重要です。

臨終から葬儀社への連絡まで

まず、病院や施設で臨終を迎えた場合の初期対応を確認しておきましょう。医師による死亡確認が最優先です。死亡診断書の発行を依頼し、病院の指示に従って退院の手続きを進めます。

自宅で臨終を迎えた場合は、すぐに医師または救急車を呼び、死亡確認を受ける必要があります。その後、葬儀社へ連絡し、ご遺体の搬送や安置場所について相談します。

葬儀社を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

• 家族葬の実績があるか
• 費用体系が明確か
• 対応の丁寧さ
• 希望する葬儀内容に対応可能か
• 口コミや評判

葬儀プランの決定とスケジュール調整

葬儀社との打ち合わせでは、家族葬の具体的なプランを決定します。主に以下の点について話し合いを行います。

打ち合わせの主な項目は以下の通りです。

1. 葬儀の日程（通夜・告別式または一日葬の選択）
2. 会場の選定と手配
3. 参列者の範囲と人数
4. 費用と支払い方法
5. 式次第の決定
6. 香典の取り扱い方針
7. 料理やお返しの内容

特に家族葬では、参列者への連絡方法を明確に決めておくことが大切です。葬儀の規模や方針によっては訃報を知らせる範囲を限定するケースもあるため、家族間で方針を統一しておきましょう。

必要な物品と書類の準備

家族葬の準備段階で用意しておくべき物品や書類があります。事前に確認して、当日の混乱を避けましょう。

必要な書類は以下の通りです。

• 死亡診断書（死体検案書）
• 故人の健康保険証
• 印鑑（喪主および遺族の実印・認印）
• 戸籍謄本（火葬許可申請に必要な場合あり）
• 埋葬・火葬許可申請書

必要な物品は以下の通りです。

• 遺影写真（または選定する写真）
• 故人の着替え（死装束または好みの服）
• 故人の思い出の品（供物として飾る場合）
• 会葬礼状（案内状）の宛名リスト

家族葬当日の流れと進行

実際の家族葬当日はどのように進行するのか、通夜から火葬までの一連の流れを見ていきましょう。

通夜の進行と参列者への対応

通夜は故人を偲ぶ場であり、一般的に午後6時頃から始まることが多いです。家族葬の場合は小規模ながらも、丁寧な受付体制を整えることが大切です。

通夜の基本的な流れは以下の通りです。

1. 受付の設置と準備（記帳・香典受付）
2. 参列者の案内（席次の確認）
3. 僧侶の到着と打ち合わせ
4. 読経・式次第の進行
5. 焼香（近親者から順に）
6. 通夜振る舞い（簡素な料理提供）

家族葬での通夜は一般葬よりも簡略化されることが多く、通夜振る舞いを省略したり、軽食程度にとどめたりするケースもあります。参列者が少ないからこそ、一人一人と故人の思い出を語り合う時間を大切にする家族も多いです。

告別式の式次第と役割分担

告別式は通常、通夜の翌日午前中から行われます。家族葬であっても基本的な式次第は一般葬と同様ですが、よりシンプルに進行します。

告別式の基本的な流れは以下の通りです。

1. 参列者受付
2. 僧侶による読経
3. 喪主挨拶
4. 弔辞（ある場合）
5. 参列者による焼香
6. 出棺・火葬場への移動

家族葬では親族間で役割分担を明確にしておくことが重要です。受付や会場案内などの担当を事前に決めておくと当日の混乱を避けられます。また、お別れの時間を十分に取り、故人との最後の時間を大切にできるよう配慮しましょう。

出棺から火葬までの流れ

告別式が終わると、ご遺体は火葬場へと出棺します。家族だけの小規模な見送りとなることが多い家族葬ですが、しめやかに送り出す準備をしましょう。

出棺から火葬までの流れは以下の通りです。

1. 納棺・最後のお別れ
2. 出棺セレモニー（花で見送るなど）
3. 火葬場への移動
4. 火葬場での手続き
5. 火葬（約1時間）
6. 収骨（骨上げ）
7. 火葬証明書の受け取り

火葬の間は、火葬場に併設された待合室で過ごすことが一般的です。この時間を利用して食事をとることも多く、火葬場によっては食事の手配も可能です。収骨は、近親者から順に二人一組で故人の遺骨を骨壷に納めていく儀式です。

初七日法要と精進落とし

現代では、火葬後に初七日法要まで同日に行うケースが増えています。特に家族葬では、参列者の負担を考慮して一連の儀式を当日中に済ませることが一般的になっています。

初七日法要と精進落としの流れは以下の通りです。

1. 会食会場への移動
2. 遺骨・位牌の安置
3. 僧侶による初七日の読経（約15〜30分）
4. 精進落としの会食
5. 僧侶へのお礼と送迎
6. 参列者への感謝の挨拶

精進落としは、故人を偲びながら参列者に感謝の意を表す大切な機会です。家族葬では少人数ならではの温かな雰囲気で、故人にまつわる思い出話に花を咲かせることができます。

家族葬後の法要と手続きの流れ

葬儀終了後も、様々な法要や事務手続きが控えています。時系列に沿って必要な対応を確認しましょう。

葬儀直後の手続きと挨拶回り

葬儀が終わってからすぐに行うべき手続きがあります。優先度の高い手続きから順に進めることが大切です。

葬儀後1週間以内の主な手続きは以下の通りです。

• 病院への支払い
• 葬儀社への支払い
• 年金事務所への死亡届出（年金受給停止手続き）
• 故人名義の各種証明書返却（運転免許証など）
• 挨拶回り（お世話になった方々へ）
• 弔電や弔意品のお礼状発送準備

家族葬の場合でも、故人と親しかった方や職場関係者への訃報連絡や挨拶回りは丁寧に行いましょう。葬儀に参列していただけなかった方への配慮も忘れないようにします。

初七日から四十九日までの法要スケジュール

仏教では、亡くなってから49日間を特に大切な期間とし、7日ごとに法要を営む習わしがあります。現代では初七日は葬儀当日に済ませることが多いですが、以降の法要も理解しておきましょう。

主な法要スケジュールは以下の通りです。

法要名	時期	内容・準備
初七日	亡くなってから7日目（多くは葬儀当日に実施）	読経、遺骨の自宅安置
二七日	亡くなってから14日目	自宅での読経（省略されることも多い）
三七日	亡くなってから21日目	自宅での読経、四十九日法要の日程調整開始
四七日	亡くなってから28日目	自宅での読経、香典返しのリスト作成
五七日	亡くなってから35日目	自宅での読経（省略されることも多い）
六七日	亡くなってから42日目	自宅での読経、四十九日法要の最終確認
四十九日	亡くなってから49日目	僧侶による読経、精進落とし、墓地への納骨

家族葬の場合は二七日から六七日までの法要を省略し、初七日と四十九日のみを執り行う家庭も増えています。地域や宗派によって異なる部分もあるため、菩提寺や葬儀社に確認することをおすすめします。

四十九日法要の準備と進行

四十九日法要は、故人の魂が来世へ旅立つとされる大切な節目です。家族葬後の重要な法要として、しっかりと準備を進めましょう。

四十九日法要の準備事項は以下の通りです。

• 日程・会場の決定（1ヶ月前までに）
• 僧侶への依頼と打ち合わせ
• 参列者への案内状発送（2週間前まで）
• 料理の手配
• 位牌・仏壇の準備
• 香典返しの準備と発送
• 墓地が準備できている場合は納骨の段取り

四十九日法要の当日は、僧侶による読経の後、会食を行います。この機会に香典返しを直接手渡すこともあります。また、墓地の準備が整っていれば、法要後に納骨を行うケースも多いです。

各種行政手続きと名義変更

故人に関する行政手続きや名義変更は、葬儀後から四十九日頃までに順次進めていくことになります。手続きには期限があるものもあるため、計画的に進めましょう。

主な手続き項目と期限は以下の通りです。

手続き	期限	必要書類
死亡届	死亡を知った日から7日以内	死亡診断書、印鑑
国民健康保険資格喪失届	14日以内	保険証、死亡診断書（写）、印鑑
世帯主変更届	14日以内（世帯主が亡くなった場合）	印鑑、身分証明書
年金受給停止手続き	14日以内	年金証書、死亡診断書（写）、印鑑
相続手続き開始（相続人調査）	できるだけ早く（法的には3ヶ月以内に相続の承認/放棄決定）	戸籍謄本一式、印鑑
不動産・預貯金等の名義変更	相続人決定後	遺産分割協議書、戸籍謄本、印鑑証明書など

特に相続に関する手続きは複雑になる場合があります。専門家への相談を検討することで、スムーズに進められることもあるでしょう。相続税の申告が必要な場合は、10ヶ月以内に行う必要があります。

香典返しと各種費用の考え方

家族葬における香典や香典返し、諸費用について正しく理解しておきましょう。

家族葬における香典の取り扱い

家族葬では、香典を辞退するケースと受け取るケースがあります。どちらを選ぶかは遺族の考え方や地域の慣習によりますが、方針を事前に決めておくことが大切です。

香典の取り扱い方法は以下の通りです。

1. 通常通り受け取る場合
   • 案内状に特記事項なし
   • 通常の香典返しを準備
2. 辞退する場合
   • 案内状に「ご厚志辞退」と明記
   • 当日も受付で丁寧に説明
   • どうしても渡したいという方には、後日供花や供物に替えていただくなどの対応も

香典を辞退する場合でも、葬儀後に供花や供物として別途お気持ちをいただくケースもあります。そうした場合は、お礼状や簡単な品物でお返しすることが一般的です。

香典返しの選び方とマナー

香典返しは、香典をいただいた方への感謝の気持ちを表すものです。家族葬であっても、香典を受け取った場合は返礼品を用意するのがマナーです。

香典返しの基本は以下の通りです。

• 香典の3分の1〜2分の1程度の価値のものを選ぶ
• 四十九日法要前後に渡すのが一般的
• 日用品（タオル、食器、カタログギフトなど）が好まれる
• 「満中陰志」や「志」と書かれた掛紙を付ける
• 故人の好みや人柄を反映したものを選ぶと喜ばれる

お返しに添える挨拶状には、故人への弔問に対する感謝の言葉と共に、家族葬であったことへの理解に感謝する一文を添えるとより丁寧です。

家族葬の費用内訳と相場

家族葬は一般葬に比べて費用を抑えられることが多いですが、具体的にどの程度の費用がかかるのか把握しておくことが重要です。

家族葬の主な費用項目と相場は以下の通りです。

項目	内容	相場
基本料金	葬儀社の基本サービス料	20〜40万円
式場費	会場使用料	10〜30万円
祭壇料	祭壇装飾費用	15〜30万円
棺・骨壷	棺および骨壷の費用	10〜20万円
ご遺体安置・処置料	ご遺体のケアと安置	5〜15万円
食事・返礼品	会食費用、香典返し	10〜30万円
僧侶お礼	読経のお布施	10〜20万円
火葬料	自治体への火葬費用	1〜5万円

総額の相場は50〜150万円程度が一般的ですが、地域や葬儀社、オプションの選択によって大きく変動します。費用を抑えるためには、複数の葬儀社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

家族葬を成功させるためのポイントとマナー

家族葬をスムーズに執り行うためのポイントとマナーを確認しておきましょう。

訃報連絡の範囲と方法

家族葬における最大の悩みの一つが、訃報をどこまで伝えるかという問題です。故人との関係性を基準に判断することが大切です。

訃報連絡の基本的な考え方は以下の通りです。

• 近親者・親しい友人は以下の通りです。葬儀前に連絡し、参列を案内
• 知人・職場関係者は以下の通りです。状況により葬儀前または葬儀後に連絡
• 遠方の親族は以下の通りです。状況に応じて葬儀前または葬儀後に連絡

家族葬と決めていても、特に故人と親しかった方には参列の機会を設けるよう配慮することが望ましいでしょう。後日「知らせてもらえなかった」という不満を抱かれるケースもあるため、慎重に検討が必要です。

参列者への案内状と連絡方法

家族葬の案内状には、一般葬と異なる記載が必要な場合があります。参列者に配慮した内容を心がけましょう。

案内状の記載ポイントは以下の通りです。

1. 「家族葬」または「近親者中心の葬儀」であることを明記
2. 香典辞退の場合はその旨を記載
3. 弔問を辞退する場合はその旨と理由を丁寧に説明
4. 後日の法要や偲ぶ会の予定がある場合はその情報

案内状は葬儀の2〜3日前までに届くよう発送するのが理想的です。緊急の場合は電話やメールで連絡し、丁寧な言葉遣いで案内することが大切です。

参列できない方への配慮と後日の対応

家族葬は参列者を制限するため、参列できない方への配慮も重要です。故人と親交があった方々への対応を考えておきましょう。

参列できない方への配慮方法は以下の通りです。

• 葬儀後に丁寧な報告の手紙や電話
• 四十九日法要への案内
• 「お別れの会」を後日開催
• 一周忌などの節目に声をかける

特に故人の職場関係者や友人などには、後日の法要や偲ぶ会に招待する配慮も検討しましょう。葬儀に参列できなかった方々にも、故人を偲ぶ機会を設けることで、不公平感を緩和できます。

家族葬後の年忌法要とお墓の準備

家族葬の後も続く年忌法要やお墓の準備について把握しておきましょう。

主な年忌法要のスケジュールと内容

四十九日以降も、定期的に法要を営むことが一般的です。主な年忌法要を理解し、計画的に準備を進めましょう。

主な年忌法要の一覧は以下の通りです。

法要名	時期	内容・準備
百か日	亡くなってから100日目頃	読経、会食（簡略化されることも多い）
初盆	亡くなって最初のお盆	盆提灯の準備、墓参り、精霊棚の設置
一周忌	亡くなってから1年後	法要、会食、墓参り
三回忌	亡くなってから2年目	法要、会食、墓参り
七回忌	亡くなってから6年目	法要、会食、墓参り
十三回忌	亡くなってから12年目	法要、会食、墓参り
十七回忌	亡くなってから16年目	法要、会食、墓参り
二十三回忌	亡くなってから22年目	法要、会食、墓参り
二十七回忌	亡くなってから26年目	法要、会食、墓参り
三十三回忌	亡くなってから32年目	法要、会食、墓参り（弔い上げの地域も）

特に一周忌と三回忌は近親者が集まって行うことが多いです。各法要は1ヶ月前までに日程を決定することが望ましく、菩提寺や僧侶の都合も確認しておきましょう。

お墓の準備と納骨の流れ

故人の最終的な安息の場となるお墓の準備も重要です。家族葬後、四十九日頃までに納骨の段取りを整えておきましょう。

お墓の準備手順は以下の通りです。

1. 墓地の選定（既存の家墓があるか、新たに購入するか）
2. 墓石の選定と発注（デザイン、素材、彫刻内容の決定）
3. 墓石完成までの期間確認（通常2〜3ヶ月）
4. 納骨の日程調整（四十九日または百か日に合わせることが多い）
5. 納骨式の準備（僧侶への依頼、参列者への連絡）

既存の墓がある場合は比較的スムーズですが、新たに墓地を購入する場合は永代使用料や管理費を確認することが大切です。また、最近は樹木葬や納骨堂など、従来の墓石に代わる選択肢も増えていますので、故人の意思や家族の希望に合わせて検討しましょう。

故人を偲ぶための工夫と心の整理

家族葬という小さな儀式の後も、故人を偲び、遺族の心を整理していくプロセスは続きます。故人との絆を大切にしながら、心の整理をつけていく方法を考えましょう。

故人を偲ぶための工夫は以下の通りです。

• 写真アルバムやメモリアルブックの作成
• 故人の好きだったことを家族で継承する
• 命日や誕生日に家族で集まる習慣を作る
• 故人の思い出の品を大切に保管する
• 定期的な墓参りを行う

悲しみの過程は人それぞれです。無理に乗り越えようとせず、自分のペースで向き合うことが大切です。必要であれば、グリーフケア（死別の悲しみへのケア）の専門家に相談することも検討してみてください。

よくある疑問と家族葬のQ&A

家族葬に関して多く寄せられる疑問に答えます。

家族葬と一日葬の違いは？

家族葬と一日葬は混同されがちですが、それぞれ異なる特徴があります。参列者の範囲と日程が主な違いです。

家族葬と一日葬の違いは以下の通りです。

• 家族葬は以下の通りです。参列者を近親者・親しい人に限定した葬儀形式。通夜と告別式を別日に行う場合と同日に行う場合がある
• 一日葬は以下の通りです。通夜を省略し、告別式のみを一日で執り行う葬儀形式。参列者の範囲による制限はない

家族葬形式で一日葬を選択する「家族だけの一日葬」というスタイルも近年増えています。時間的・経済的な負担を減らしたい場合に選ばれることが多いです。

家族葬で香典を辞退する場合の伝え方は？

家族葬で香典を辞退する場合は、参列者に事前に伝えることが大切です。丁寧な言葉遣いでお断りするようにしましょう。

香典辞退の伝え方は以下の通りです。

1. 案内状での伝え方
   • 「ご厚志はご辞退させていただきます」
   • 「香典のお心遣いは固くお断りしております」
2. 口頭での伝え方
   • 「ご参列いただくことだけで十分ですので、お気持ちだけいただきます」
   • 「家族葬のため、香典は辞退させていただいております」

それでも香典を持参される方には、無理に辞退せず受け取り、後日相応の品物でお返しするのがマナーです。

家族葬に参列できなかった人への対応は？

家族葬に参列できなかった方々、特に故人と親しかった方への配慮は重要です。丁寧な報告と感謝の気持ちを伝えることを心がけましょう。

参列できなかった方への対応例は以下の通りです。

• 葬儀の様子を報告する手紙や電話
• 後日、個別に会って故人の思い出を語り合う機会を設ける
• 四十九日法要や一周忌に招待する
• 「偲ぶ会」などを別途開催する
• 故人との関係を考慮した形でのお礼状送付

特に故人の職場関係者や友人など、普段から交流があった方々には、葬儀後に何らかの形で故人を偲ぶ機会を提供することが望ましいでしょう。

家族葬を選ぶ際のチェックポイント

家族葬の流れについて、事前準備から当日の進行、その後の法要や手続きまで詳しく解説してきました。故人との最後の時間を大切にしながらも、参列者への配慮や必要な手続きを怠らないことが、家族葬を意義あるものにする鍵となります。

• 家族葬は親しい人だけで故人を送る小規模な葬儀形式であり、費用負担の軽減や親密な送別の場を設けられるメリットがある
• 事前準備では参列者の範囲決めと連絡方法の検討が重要なポイントとなる
• 葬儀後の法要や各種手続きは時系列に沿って計画的に進めることが大切
• 参列できなかった方への配慮も忘れず、後日の法要や偲ぶ会への案内を検討する
• どのような葬儀形式を選ぶにしても、故人の意思と遺族の気持ちを最も大切にすることが重要

もしもの時に慌てないためにも、家族で葬儀についての希望を事前に話し合っておくことをおすすめします。また、信頼できる葬儀社に相談し、自分たちに合った家族葬のスタイルを見つけることが、故人を送る大切な時間をより意義あるものにするでしょう。