棺桶に入れるものは何が正解？入れてはいけないものと注意点 | 板橋、町田、西東京、江戸川、八王子、小平、東久留米、杉並(高円寺・西荻窪)の葬儀なら家族葬の四季風（コムウェルセレモニー）

2025年05月26日

故人との最後のお別れに際して、多くの方が「棺に何を入れてあげれば良いのだろう」と悩みます。大切な人へ送る最後の贈り物として何を選ぶべきか、また火葬の際にトラブルとならないよう気をつけるべき点は何か。この記事では、棺に入れても良いもの、避けた方が良いものについて詳しく解説します。文化的な背景や火葬場のルールを踏まえながら、故人を送り出す際の参考にしていただければ幸いです。

棺に入れるもの（副葬品）の基本的な考え方

棺に入れるもの、いわゆる「副葬品」とは、故人との最後のお別れに際して、出棺直前に遺族や参列者が棺の中へ入れる品のことを指します。日本の火葬を前提とした葬儀では、燃えやすいものを中心に選ぶのが基本原則となっています。

副葬品は故人が来世で使うものという考え方や、生前に愛用していたものを一緒に送るという意味合いがあります。また、遺族の気持ちを形にして伝える最後の機会でもあります。

思い出の衣類や小物

生前によく着ていた服や思い入れのある衣類は、最も一般的な副葬品です。仕事で着ていたユニフォームや、大切にしていた着物なども入れることができます。燃えやすい繊維製のものを選ぶことが重要です。

また、毛布やハンカチなど、故人が愛用していた小さな布製品も適しています。金属のボタンやファスナーがついている場合は、可能であれば取り外しておくと良いでしょう。

手紙やメッセージカード

故人が生前に大切に保管していた手紙や、家族から故人へ宛てたお別れの手紙も棺に入れることができます。最後の言葉を伝える手段として、多くの方が選ばれています。

特に遺族が書いた感謝や愛情を綴った手紙は、故人への最後のメッセージとなります。短い言葉でも心を込めたものであれば十分です。

故人の好物だった食べ物や飲み物

故人が好きだった食べ物や飲み物も副葬品として入れることができます。ただし、容器から中身だけを取り出して入れるようにしましょう。

例えば、好きだったお菓子や果物（水分の少ないもの）、乾燥した食品などが適しています。缶やビン、プラスチック容器は火葬の妨げになるため、必ず中身だけを入れるよう注意してください。

花や植物

故人が好きだった花や、自宅の庭で育てていた植物なども良い選択です。季節の花や、故人が特に愛していた種類の花を選ぶと良いでしょう。

花は自然の美しさを象徴し、故人を見送る際の優しい気持ちを表現するものとして古くから用いられてきました。ただし、水に浸した状態での花は避け、水気を切ったものを入れるようにします。

趣味に関連する品々

故人の趣味に関連する燃えやすい道具も入れることができます。例えば、読書家であれば愛読書や栞、絵を描くことが好きだった方には小さなスケッチブックやお気に入りの絵などが適しています。

ただし、分厚い本をそのまま入れると火葬の妨げになるため、一部のページを切り取るなどの工夫が必要です。また、趣味の道具も燃えやすいもの、または小さく切り取ったものに限定しましょう。

棺桶に入れてはいけないもの

火葬の過程でトラブルを起こす可能性があるものや、文化的・法律的に不適切とされるものは避けるべきです。以下に主な注意点をまとめました。

金属製品・ガラス製品

金属やガラスは高温でも完全に燃えず、火葬炉を傷める原因となります。燃え残りが遺骨と混ざってしまうため、避けるべきです。

• 眼鏡（特にフレーム部分）
• 腕時計や指輪などのアクセサリー
• 入れ歯（金属部分があるもの）
• 金属の付属品が多い革製品
• ガラス製の小物

どうしても形見として入れたい場合は、写真に撮って紙に印刷したものを代用するなどの工夫をしましょう。

紙幣・硬貨

お金を棺に入れる風習は世界各地にありますが、日本では紙幣の焼却は法律上禁止されています。特に本物の紙幣を入れることは控えましょう。

六文銭などの風習に関しては、紙に印刷されたものや模造品を代用することが一般的です。硬貨は金属製なので火葬の妨げになります。

水分を多く含むもの

水分の多い果物や缶入り飲料などは、高温で水蒸気が発生し、不完全燃焼や爆発の恐れがあります。

• 生の果物（特に水分の多いもの）
• 缶やペットボトル入りの飲料
• 液体の香水や化粧品
• 生花を水に浸したもの

これらは火葬の妨げになるだけでなく、火葬炉の故障につながる可能性もあります。

プラスチック・ビニール製品

プラスチックやビニール、ナイロン製品は燃焼時に有害なガスを発生させる恐れがあります。また、火葬炉の故障の原因になることもあるため避けるべきです。

• プラスチック製のおもちゃや小物
• ビニール製の袋や包装
• ナイロン製の衣類や小物

これらの素材は環境面でも問題があるため、紙や木、布などの天然素材に置き換えることを検討しましょう。

副葬品に関するマナーと配慮

副葬品を選ぶ際には、火葬の実務的な観点だけでなく、文化的なマナーや故人・遺族への配慮も大切です。ここでは気をつけたい点をご紹介します。

生存者が写る写真は避ける

故人と生存者が一緒に写った写真を棺に入れることは、日本の風習では避けられることが多いです。これは「一緒に連れて行く」という不吉な言い伝えから嫌悪感を抱く人が多いためです。

故人だけが写った写真や、思い出の風景写真などを選ぶと良いでしょう。もし集合写真しかない場合は、故人部分だけを切り取るなどの工夫をすることもあります。

地域による違いや家族の意向を尊重する

副葬品の選び方は地域によって異なる場合があります。また、宗教や家族の考え方によっても適切とされるものが変わってきます。

特に伝統的な考え方を持つ年配の方がいる場合は、その方の意見も尊重しながら決めることが大切です。家族間で話し合って決めるようにしましょう。

葬儀社や火葬場のルールを確認する

葬儀場や火葬場によって、入れることができるものや禁止されているものが異なることがあります。事前に葬儀社に確認することで、トラブルを避けることができます。

特に都市部と地方では火葬場の設備や規則が異なることもあるため、葬儀を行う地域の習慣やルールを把握しておくことが重要です。

副葬品の量と入れ方

副葬品は故人への愛情表現ですが、入れすぎには注意が必要です。火葬の効率や安全性を考えると、適量を守ることが大切です。

基本的には故人の体を圧迫しないよう、隙間に優しく配置します。遺体を傷つけないよう、尖ったものや重いものは避け、柔らかいもので包むなどの配慮をしましょう。

カテゴリー	入れても良いもの	避けるべきもの
衣類・布製品	綿、麻、絹などの天然繊維の服、ハンカチ、小さな布製品	金属ボタンの多い服、ナイロン製品、化学繊維100%の服
思い出の品	手紙、写真、紙製の記念品、木製の小物	プラスチック製品、金属製品、ガラス製品
食べ物・飲み物	乾燥した菓子類、水分の少ない食品（容器から出したもの）	水分の多い果物、缶入り飲料、瓶入り飲料
植物・花	乾いた状態の花、葉、小さな植物	水に浸した花、大量の花束、プラスチック製の造花

故人の宗教や信仰に合わせた副葬品

故人の信仰していた宗教や信条によって、適切な副葬品も変わってきます。ここでは主な宗教や宗派における考え方を紹介します。

仏教における副葬品の考え方

日本の仏教では、故人が極楽浄土へ旅立つ際に必要なものを供えるという考え方があります。六文銭（三途の川の渡し賃）や戒名を書いた白木の位牌、数珠などが伝統的な副葬品です。

宗派によって異なる作法がありますので、菩提寺がある場合は住職に相談するとよいでしょう。浄土真宗では阿弥陀如来の名号、禅宗では座禅に使用する座布団の小さいものなどを入れる場合もあります。

キリスト教における副葬品

キリスト教では一般的に質素な葬儀が好まれ、副葬品も控えめにすることが多いです。聖書の一部や十字架のペンダント（木製や紙製）、ロザリオなどを入れることがあります。

カトリックとプロテスタントでは細かな違いがありますが、いずれも故人の信仰に沿った品を選ぶことが大切です。特に聖書の言葉を印刷した紙片などは宗教的な意味を持つことがあります。

神道や他の宗教・無宗教の場合

神道では清浄を重んじる傾向があり、故人の生前の姿をそのまま見送るという考え方があります。特別な宗教的アイテムよりも、故人が愛用していた品や思い出の品を中心に選ぶことが多いです。

また、特定の宗教を持たない方の場合は、故人の人柄や価値観を反映した品を選ぶことで、個人に寄り添った送り方ができます。家族で話し合い、故人らしさを表現するものを選びましょう。

よくある質問と回答

副葬品に関して多くの方が抱く疑問について、具体的に回答します。実際の現場での判断の参考にしてください。

形見分けのものと副葬品の違いは？

副葬品は棺に入れて一緒に火葬するものですが、形見分けは故人の遺品を遺族や親しい方々に分け与えるものです。目的と行き先が異なるため、区別して考える必要があります。

貴重品や後々使える物は形見分けとし、故人との思い出を象徴する消耗品や個人的なメッセージは副葬品とするのが一般的です。例えば、高価な時計は形見分けとし、その時計の写真を副葬品として入れるといった工夫もできます。

ペットの写真や思い出の品は入れてもよい？

故人が生前に可愛がっていたペットの写真や関連するものを入れることは問題ありません。特に先立ったペットとの再会を願う気持ちを込めることもあります。

ただし、写真は紙製のものに限り、フレームや金属・プラスチック製の部品は取り外しておきましょう。ペットの首輪やおもちゃなども、燃えやすい素材のものを選ぶことが大切です。

遺骨と一緒に拾える副葬品はある？

基本的に副葬品は火葬の際に燃えてしまいます。しかし、金属製のものなど完全に燃え切らないものは、火葬後に遺骨と一緒に拾うことになる場合があります。

これは本来避けるべき状況ですが、もし入れてしまった場合は、火葬場のスタッフに相談して対応を決めることになります。信仰上の理由で金属製の小さな仏像などを入れる場合は、事前に火葬場に確認しておくことをお勧めします。

まとめ：故人への想いを形にする副葬品

棺に入れるものについて、基本原則から具体例、注意点まで幅広く解説しました。副葬品選びでは、火葬という現実的な制約と、故人への思いのバランスが重要です。

• 副葬品は基本的に燃えやすいものを選び、金属・ガラス・プラスチック製品は避ける
• 故人の好みや思い出、信仰に合ったものを選ぶことで、より意味のある見送りができる
• 家族や参列者それぞれの思いを形にする機会として、事前に準備時間を確保する
• 葬儀場や火葬場のルールを事前に確認し、トラブルを避ける

最後のお別れの際には、形式や一般的なルールも大切ですが、何より故人との関係性や想いを優先して副葬品を選ぶことで、心のこもった見送りができるでしょう。迷った際は葬儀社のアドバイスを参考に、ご家族で相談しながら決めていくことをおすすめします。

• 棺桶