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故人との最後のお別れを大切にしたい、海外への搬送が必要、火葬までに日数がかかるなど、さまざまな理由でエンバーミングを検討される方が増えています。エンバーミングとは遺体を衛生的に保存し、生前の姿に近づける処置です。この記事では、エンバーミングの目的から具体的な施術方法、費用の相場、メリット・デメリットまで、遺族の方々が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
エンバーミングは特定の状況において特に有効な選択肢となります。どのような場合に検討すべきか、具体的なケースを見ていきましょう。
日本では、死亡から24時間経過後に火葬を行うことが法律で定められていますが、様々な理由で火葬までに日数がかかるケースがあります。火葬場の予約状況によっては数日待つ必要があったり、遠方に住む親族の到着を待つために日程を調整したりする場合です。
特に繁忙期(お盆や年末年始)は火葬場が混雑するため、予約が取りにくくなります。このような時期に長期安置が必要になった場合、エンバーミングは非常に有効な選択肢となります。通常のドライアイス保存では限界がありますが、エンバーミングなら最大50日間の保存が可能です。
国外で亡くなった方を日本へ、あるいは日本で亡くなった方を海外へ搬送する必要がある場合、エンバーミングは必須の処置となることがほとんどです。これは、国際航空運送協会(IATA)の規定によるものです。
航空機内ではドライアイスの使用に制限があるため、長時間のフライトでは遺体の衛生状態を保つためにエンバーミングが必要とされます。また、多くの国では入国の際にエンバーミング証明書の提示を求められます。国によって要件は異なりますので、渡航先の規定を事前に確認することが重要です。
長期の闘病生活や事故、災害などにより、故人の容貌が生前と大きく異なってしまうことがあります。このような場合、エンバーミングの技術を用いた修復処置により、穏やかな表情でのお別れが可能になります。
特に突然の事故などで遺族がショックを受けている場合、故人の穏やかな表情を見ることで心の整理がつきやすくなるというメリットがあります。エンバーマーは、生前の写真を参考に丁寧な修復を行うことで、遺族の心のケアにも貢献しています。
結核、肝炎、HIV感染症など、感染性のある疾患で亡くなられた方の場合、遺族や関係者への感染リスクを防ぐためにエンバーミングが推奨されます。適切な防腐処理と消毒により、病原体の増殖を抑制し、安全にお別れの時間を持つことが可能になります。
感染症による死亡の場合、通常は接触や対面に制限が設けられることがありますが、エンバーミング処置により、こうした制限を最小限に抑えながら最後のお別れができるようになります。公衆衛生の観点からも重要な役割を果たしています。
エンバーミングは専門的な技術と知識に基づいて行われる処置です。実際にどのような手順で進められるのか、詳しく見ていきましょう。
エンバーミングの第一段階は、遺体のエンバーミングセンターへの搬送です。まず葬儀社を通じて専門のエンバーマーに依頼し、必要書類(エンバーミング依頼書と死亡診断書または死体検案書)を準備します。この際、生前の写真があれば表情の修復に役立つため、可能であれば提供しておくと良いでしょう。
また、着せたい衣服がある場合は、事前に用意しておくことが望ましいです。特に海外搬送の場合は、渡航先の要件に合わせた書類を準備する必要があります。エンバーミングセンターへの搬送は、通常葬儀社が手配します。
エンバーミングセンターに到着後、まず遺体の全身を丁寧に洗浄・消毒します。これは表面的な細菌を除去し、衛生状態を整えるための重要なステップです。特に医療機器や装着物がある場合は、この段階で適切に処理されます。
続いて整容の初期段階として、洗顔・洗髪・保湿・髭剃りなどを行います。この段階での目的は、後の処置をスムーズに行うための下準備であり、表情をより自然に整えるための基礎作業です。特に長期入院されていた方は、皮膚の乾燥などが見られることがあるため、丁寧なケアが必要になります。
エンバーミングの核心部分は腐敗保全処置です。この処置は大きく分けて、血液の排出と防腐液の注入、そして切開部の縫合という3つのステップで行われます。
まず、遺体の目立たない部位(通常は鎖骨付近や太ももの付け根など)に1〜15cmほどの小さな切開を施し、動脈と静脈にカニューレと呼ばれる管を挿入します。動脈からは特殊な防腐液(ホルムアルデヒドなどを含む)を注入し、同時に静脈から血液を排出します。この血液循環系を利用した防腐処理により、全身に均一に防腐効果が行き渡ります。
また、体腔(胸腔・腹腔)内の臓器も腐敗の原因となるため、専用の器具を用いて体腔内に防腐液を注入します。これにより内臓からの腐敗も防止します。処置が完了したら、切開部分は丁寧に縫合され、外見上はほとんど分からないように仕上げられます。
事故や疾病により容貌に変化がある場合、専門的な修復技術が用いられます。エンバーマーは生前の写真を参考にしながら、特殊なワックスや化粧品を用いて表情を修復します。
特に顔の損傷がある場合は、形成外科的なテクニックを応用し、自然な表情を取り戻す処置を行います。また、長期闘病による痩せや浮腫みなどにも対応し、故人の尊厳を保つよう細心の注意を払います。修復は単に見た目を整えるだけでなく、故人らしさを大切にした自然な仕上がりを目指します。
防腐処置と修復が終わったら、あらかじめ指定された衣服に着替えさせます。葬儀で着用する正装や、故人が生前好んでいた服装など、遺族の希望に沿った衣服を用意しておくと良いでしょう。海外搬送の場合は、渡航先の文化や習慣に合わせた衣装を選ぶことも考慮します。
最後に、専門的な技術を用いて死化粧を施します。通常の化粧とは異なり、長時間保持できる特殊な化粧品を使用します。男性の場合も自然な印象になるよう、必要に応じて薄くメイクを施します。髪型も整え、生前の姿に近づけていきます。
全ての処置が完了したら、遺体は自宅または葬儀会場へと再搬送されます。エンバーミング処置を施した遺体は、特別な冷却設備なしでも安置できるため、自宅での安置や対面式の葬儀が可能になります。
搬送時には、エンバーミング証明書が発行されます。特に海外搬送の場合は、この証明書が必須となります。処置完了後は、通常のお別れや葬儀の準備を進めることができます。エンバーミング処置により、最大50日間は衛生的な状態が保たれます。
エンバーミングを検討する際、費用や手配方法についての情報は重要です。費用の内訳や依頼の流れについて詳しく解説します。
エンバーミングの費用相場は、IFSA(日本遺体衛生保全協会)の基準により、一般的に15万〜25万円程度となっています。この金額には、基本的な保全処置費、修復費、着付け費、化粧費などが含まれています。
ただし、遺体の状態や損傷度によって費用が変動することがあります。例えば、事故などで大きな損傷がある場合は、修復に時間と技術を要するため追加料金が発生することがあります。また、基本料金には搬送費や安置費は含まれていないことが多いため、事前に確認が必要です。
以下は一般的な費用内訳の例です。
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
基本保全処置費 | 10万〜15万円 | 血液交換、防腐処理など |
修復費 | 2万〜5万円 | 損傷度合いにより変動 |
着付け・化粧費 | 2万〜3万円 | 希望に応じたサービス |
搬送費 | 1万〜3万円 | 距離により変動 |
海外搬送用追加処置 | 3万〜5万円 | 必要な場合のみ |
エンバーミングの依頼は、一般的に葬儀社を通じて行います。まず葬儀社にエンバーミングを希望する旨を伝え、葬儀社がエンバーマーとの調整を行います。葬儀社によっては提携しているエンバーミングセンターがあり、スムーズに手配できる場合が多いです。
依頼の流れは以下のようになります。
なお、葬儀社を通さずに直接エンバーミングセンターに依頼することも可能ですが、初めての方は葬儀社のサポートを受けた方がスムーズに進めやすいでしょう。
エンバーミングを依頼する際には、以下の書類や準備が必要となります。
特に海外搬送の場合は、渡航先の国によって追加書類が必要になることがあります。例えば、渡航先の大使館が発行する遺体搬送許可証などが求められるケースがあります。事前に葬儀社や航空会社に確認しておくことをお勧めします。
また、遺体の状態によっては処置に時間がかかることがあるため、葬儀の日程設定にも余裕を持たせておくと安心です。一般的なエンバーミング処置には4〜8時間程度かかります。
エンバーミングと一般的な遺体処置には大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、状況に応じた適切な選択ができるようになります。
日本で最も一般的な遺体保存方法はドライアイス保存です。ドライアイスを遺体の周囲に配置し、低温状態を保つことで腐敗を遅らせます。このメリットは費用が比較的安価(数千円〜1万円程度/日)である点です。
しかし、ドライアイス保存には以下のようなデメリットがあります。
一方、エンバーミングでは上記の問題がなく、自然な状態での長期保存が可能です。ドライアイスの交換作業も不要で、遺族は気兼ねなく故人に触れることができます。費用は高くなりますが、長期保存や対面式の葬儀を希望する場合はエンバーミングの方が適していると言えるでしょう。
エンバーミングについて疑問に思うことは多いものです。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
Q: エンバーミング後、故人の見た目はどう変わりますか?
A: エンバーミング処置により、故人は生前に近い穏やかな表情になります。顔色も自然に整えられ、長期入院や疾病による変化が緩和されます。血色が良くなり、安らかに眠っているような印象になることが多いです。特に修復技術により、事故や病気による損傷が目立たなくなります。
Q: 処置の跡は目立ちますか?
A: エンバーミング処置で行う切開は非常に小さく(1〜15cm程度)、目立たない部位(通常は鎖骨付近や太ももの付け根など)に行われます。処置後は丁寧に縫合されるため、外見上はほとんど分かりません。衣服を着せた状態では完全に隠れます。
Q: 処置にはどれくらいの時間がかかりますか?
A: 標準的なエンバーミング処置には4〜8時間程度かかります。ただし、遺体の状態や損傷の程度によっては、より長時間を要することもあります。特に事故や災害による大きな損傷がある場合は、修復に時間をかけて丁寧に行うため、12時間以上かかるケースもあります。
Q: 処置は誰が行いますか?資格は必要ですか?
A: エンバーミングは、IFSA(日本遺体衛生保全協会)認定の「エンバーマー」という専門資格を持つ技術者のみが行えます。エンバーマーになるには、IFSAが実施する研修(約150時間の講義と実習)を受け、試験に合格する必要があります。資格取得後も定期的な研修が義務付けられています。
Q: 費用の支払い方法や時期はどうなっていますか?
A: 一般的には葬儀社を通じて依頼する場合、葬儀費用と合わせて後日精算することが多いです。直接エンバーミングセンターに依頼する場合は、センターの規定に従いますが、処置完了後の請求となるケースが一般的です。支払い方法は現金の他、クレジットカードや振込に対応しているところもあります。
Q: 保険は適用されますか?
A: 一般的な生命保険や葬祭費用保険では、エンバーミング費用も葬儀費用の一部として認められることが多いですが、保険会社や契約内容によって異なります。事前に保険会社に確認することをお勧めします。また、海外旅行保険で遺体搬送費用が補償される場合、その一部としてエンバーミング費用がカバーされることもあります。
Q: 宗教上の制約はありますか?
A: 宗教によって考え方は異なります。日本の仏教や神道では特に制限はありませんが、イスラム教やユダヤ教では遺体の完全性を重視するため、エンバーミングに制約がある場合があります。不安な場合は宗教的指導者に相談することをお勧めします。
Q: 故人の意思表示がない場合、判断はどうすべきですか?
A: 故人の生前の意向が明確でない場合は、近親者間でよく話し合うことが大切です。一般的には喪主や配偶者、子などの近親者が中心となって判断します。故人の人柄や価値観を考慮し、最も故人の意思に沿った選択を心がけましょう。迷った場合は、葬儀社のアドバイスを参考にするのも一つの方法です。
エンバーミングについて、基本的な知識から具体的な手順、費用、メリット・デメリットまで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめておきましょう。
エンバーミングを選択するかどうかは、故人との最後のお別れをどのように過ごしたいかという遺族の希望と、状況に応じた必要性を総合的に判断することが大切です。大切な方との別れの時間を、その方らしく、そして心に残る時間にするためにも、十分な情報を得た上で検討してみてください。