◎お香典の本来の意味は?
最近、事前のご相談の時に「香典を辞退したいのですが…」と相談を受けることがあります。理由を伺うと
・遠くから来て貰うのに香典を貰うのは申し訳ない
・貰うと返さないといけないので煩わしい
・相手の人に不幸があったら参列しないといけなくなる
など、お葬式を出す側の都合でお断りがほとんどです。確かに、お葬式の時には様々な接待も有り、またお葬式が終わった後にお返し物の手配などが負担に感じる方も多いと思います。
四十九日法要までに準備をするのが慣例ですが、意外と四十九日はあっという間に来てしまいます。一度お葬式で苦い思いをされた方、初めてお葬式を準備するが参列したお葬式で香典辞退が良いと思った方…など、理由は様々だと思います。
しかし、日本は昔から義理堅く、頂いた物はお返しする風習があります。結婚式やお葬式など、主催する家は出費も重なる為、少しでも負担を減らすために各々が祝儀・不祝儀として金銭を負担しお互い様で助け合いの意味も有ります。お香典の辞退を検討している場合は、対象の方のお付合いやご家族のお付合いなどを考慮し、検討をしましょう。
◎香典辞退が難しいパターン
香典辞退をして後で困った…という事もあります。
・親戚から苦言を呈された
・通夜・葬儀の時にはお断りできたが、自宅に現金書留で届いてしまい断り切れなかった
・香典の代わりに供花を頂いて、花だらけになってしまった
この様な方は、亡くなられた方やご遺族が、今まで他の方々にお香典やご供花などをお付合いとして丁寧に対応してこられていたので、相手の方が困ってしまったのが原因です。また、親戚の中には香典を出さない事が不義理に感じてしまう方も居るので、親戚付き合いをないがしろにされたと勘違いをされることもあります。
では、無理に渡されたお香典などはどうしたら良いのでしょうか?参列された方には香典を辞退していますので、現金書留などで送られてきた香典については、同額の商品券などをお返しすると良いでしょう。
その際は「お心遣い誠に有難うございます。この度は故人の遺志によりお香典は丁重にご辞退させて頂きました。お気持ちのみ受け取らせて頂きます。」といった趣旨を一筆添えて送られることをお薦め致します。
また、親戚からのお香典に関しては、今後の付合いも考慮して、お受けになるのが良いでしょう。
◎香典辞退を知らせるには
香典辞退は事前に知らせておくのが親切です。当日受付に「香典辞退」の趣旨を記した看板を出すのも一つですが、訃報の案内や口頭での連絡時に一言添えましょう。受付で一度出したお香典を引き取って頂くのは、出された方の心情を考えると失礼に当たります。できれば受付でお香典を出される前に「香典辞退」をシッカリと伝える配慮をしましょう。
何事においても、お葬式に参列される方は亡くなった方の弔いに参列して下さっています。お香典の有無に関わらず、お付合いは大切にするのが良いでしょう。