日本ではお祝い事やお見舞いなど、大安や仏滅など六曜を気にします。お葬儀についても「友引」を避けるという考えが一般的です。なぜ友引を避けるのでしょうか。
◆友引に葬儀はダメなのか。
六曜という暦の中のひとつとして「友引」があります。文字で表わしているように、友を引く日と言われます。結婚式などおめでたい事には吉日ですが、葬儀やお見舞いには向かない凶日と言われます。
葬儀を友引に行なうと、亡くなった方が親しかった人をあの世に誘って連れていくといわれています。昔からある迷信の一つですが、現在でも信じている方が多いようです。
そのため、葬儀は友引以外の日に行なうことが通例となっています。
しかし、本来の「ともびき」は「共引」と書き、全てにおいて決着のつかない引き分けの日と言われていました。現在では「友引」が主流となり、本来の意味と少し違ってしまったようです。
◆葬儀はNGだけど、お通夜はOK?
葬儀は友引を避けますが、お通夜は友引に行なうこともあります。なぜ通夜は避けないのでしょうか。
前項にもありますが、あくまでも迷信ですので、お通夜も葬儀も避けなければならないものはありません。
しかし、参列する方の中には気にする方も多いのです。葬儀を避けるのは、火葬をする(あの世に往く)時に友を引いて行ってしまうという迷信からきています。
実際には、友引は火葬場が休場の場合が多く、火葬ができないということもあります。
◆友引を気にするのは
そもそも「友引」を気にするのは、不幸事が起きたとき、お見舞いに行くときに避けるために気にします。
もしくはお祝い事を行なう時に、大安で予定が立たない時に友引を選びます。
本来の「共を引く」という言葉には、縁起が悪いや友を引いていってしまうという意味はありません。
気にしなければ、友引でも葬儀を行なうこともできます。昔から地域によっては、身代わり人形や友人形という風習があり、友引に葬儀を行っていたところもあるようです。
◆友引は火葬場の定休日
友引は火葬場が休場というところが多いようです。公営の火葬場は制限付で開場をしていますが、民営の火葬場は休場が一般的です。
友引の火葬を希望する方が少ないので、定休日になったとも考えられます。
◆家族葬の増加に伴って
最近は家族だけで友人は呼ばない、無宗教だから、など葬儀の多様化により友引を気にしない方が増えてきました。確かに、友人を呼ばなければ友を引かないと考えるのも納得がいきます。無宗教で気にしないからというのも同様です。友引を気にするのは、仏式や神道の葬儀が主で、キリスト式などは気にしない場合があります。
家族葬の増加に伴い、日程優先などの理由で友引の火葬も増加傾向にあります。
友引の葬儀は決してNGではありません。ただし、参列される方への配慮をし、日程を決定しましょう。