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神式葬儀のマナーを徹底解説|参列者の服装や香典の注意点 | 板橋、町田、西東京、江戸川、八王子、小平、東久留米、杉並(高円寺・西荻窪)の葬儀なら家族葬の四季風(コムウェルセレモニー)
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神式葬儀のマナーを徹底解説|参列者の服装や香典の注意点
神式葬儀(神葬祭)は日本古来の伝統に基づいた葬送儀礼で、仏式葬儀とは異なる独自の作法やマナーがあります。初めて神式の葬儀に参列する方にとっては、玉串奉奠(たまぐしほうてん)の方法や適切な香典の表書きなど、戸惑う点も多いでしょう。本記事では、神式葬儀に参列する際に知っておくべきマナーや作法を詳しく解説します。故人と遺族に対する敬意を正しく表すために、神式葬儀特有の流れや作法、服装や香典のマナーについて理解しておきましょう。
神式葬儀とは?基本的な特徴と流れを理解する
神式葬儀は、神道の教えに基づいて執り行われる葬送儀礼です。一般的な仏式葬儀と比べると参列する機会が少ないため、その特徴や流れをしっかり把握しておく必要があります。
神式葬儀の基本的な考え方
神式葬儀の根本的な考え方は、故人を「守り神」として祀ることにあります。仏式葬儀が故人の成仏を願うのに対し、神式では故人が家族や子孫を見守る存在になると考えます。そのため、神式葬儀では「成仏」「供養」といった言葉は使わず、「御霊(みたま)の平安」を祈る表現を用います。
また、神道では死を「穢れ(けがれ)」とする考え方があり、清めの儀式を重視します。葬儀の場や参列者も清らかな状態であることが求められるのが特徴です。
神式葬儀の流れと期間
神式葬儀は一般的に3日間かけて執り行われます。それぞれの儀式には意味があり、故人を神として祀る過程を表しています。
- 湯灌(ゆかん):故人の体を清める儀式
- 納棺:故人を棺に納める儀式
- 通夜祭:故人の霊を慰める儀式
- 葬場祭(そうじょうさい):主な葬儀の儀式
- 発引祭(はつひきさい):棺を霊柩車に移す儀式
- 火葬場祭:火葬を行う前の儀式
- 帰家祭(きかさい):遺骨を持ち帰る際の儀式
これらの儀式は神職(神主)の導きのもとで行われ、参列者はそれぞれの場面で適切な作法に従う必要があります。
神式葬儀と仏式葬儀の違いを知っておこう
神式葬儀と仏式葬儀は同じ日本の葬送儀礼でありながら、根本的な考え方や作法に大きな違いがあります。混同しないよう、主な相違点を理解しておきましょう。
儀式と作法の違い
最も顕著な違いは、参列者が行う儀式的な所作です。仏式葬儀では焼香を行いますが、神式葬儀では玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。これは榊の枝に白い紙(紙垂・しで)を付けた玉串を神前に供える儀式です。
また、仏式では数珠を持参しますが、神式葬儀では数珠は不要です。さらに、仏式で「合掌」する場面では、神式では「拝礼」を行います。
項目 | 仏式葬儀 | 神式葬儀 |
---|---|---|
参列者の主な作法 | 焼香 | 玉串奉奠 |
持参するもの | 数珠 | 不要 |
礼の形式 | 合掌 | 拝礼(二礼二拍手一礼) |
供物 | 花、線香、ろうそく | 米、塩、水、酒(線香は使わない) |
香典の表書き | 御香典、御霊前 | 御玉串料、御榊料 |
供物と装飾の違い
仏式葬儀では線香やろうそくを供えますが、神式葬儀では線香は使用せず、米・塩・水・酒などを供えるのが一般的です。神式では火や煙ではなく、清らかな水や食物で故人を祀ります。
祭壇の装飾も大きく異なります。仏式が位牌や仏具を中心にするのに対し、神式では神棚のような形式で、榊や白い紙垂(しで)、清めの塩などが配置されます。
服装や持ち物の違い
服装に関しては、基本的には黒の喪服で参列する点は共通していますが、細部に違いがあります。仏式では数珠を持参する必要がありますが、神式では不要です。また、神式では白手袋をする習慣があります。
女性の場合、仏式では装飾品は真珠のみが許されますが、神式では特に厳格な制限はありません。ただし、いずれも派手な装飾は避けるべきです。
神式葬儀における玉串奉奠のマナーと手順
神式葬儀で最も重要な参列者の作法が玉串奉奠です。この儀式を正しく行うことは、故人と遺族に対する敬意の表れとなります。
玉串奉奠とは
玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは、榊の枝に白い紙垂(しで)を付けた「玉串」を神前に捧げる儀式です。これは故人の霊に対する敬意と哀悼の気持ちを表す、神式葬儀における最も重要な所作となります。
仏式葬儀の焼香に相当する儀式ですが、方法が全く異なるため、事前に手順を理解しておくことが大切です。玉串奉奠は「二礼二拍手一礼」の作法に従って行われます。
玉串奉奠の正しい手順
玉串奉奠の手順は以下の通りです。初めて参列する方は、前の方の所作をよく観察してから行うとよいでしょう。
- 祭壇の前に進み、一礼する
- 係の方から玉串を受け取る(左手で茎の部分、右手で葉の付近を持つ)
- 祭壇の前で二回深く礼をする
- 二回手を打つ(拍手する)
- 玉串を持ったまま黙祷する
- 玉串を祭壇に置く(紙垂を上にして、茎を手前に向ける)
- 一回深く礼をする
- 後退りで下がる
玉串は葉が上、茎が下になるように持ち、紙垂を上にして祭壇に置きます。
玉串奉奠で気をつけるべきポイント
玉串奉奠を行う際に注意すべきポイントをいくつか挙げます。
まず、玉串を受け取る際は必ず両手で丁寧に受け取りましょう。また、拍手は神道独特の作法で、音を立てて叩くというよりは、静かに手のひらを合わせるイメージで行います。
祈念の際には、故人の冥福を祈るという表現は避け、「御霊の平安をお祈りします」という気持ちで黙祷します。
また、玉串を置く向きを間違えないよう注意しましょう。向きを誤ると不敬になる可能性があります。不安な場合は係の方に確認するとよいでしょう。
神式葬儀における香典(御玉串料)のマナー
神式葬儀では、香典を「御玉串料(おたまぐしりょう)」または「御榊料(おさかきりょう)」と呼びます。表書きや金額、水引の選び方など、仏式とは異なる点があるので注意が必要です。
御玉串料の表書きと水引
神式葬儀で香典を包む際の表書きは、「御玉串料」または「御榊料」が一般的です。仏式葬儀で使われる「御香典」「御霊前」などの表現は避けましょう。
水引は、一般的に「白黒」または「双銀(そうぎん)」を使用します。正式には「蓮結び」ではなく「結び切り」の水引を選びます。これは「二度と死という悲しみが繰り返されないように」という願いが込められています。
不祝儀袋は薄墨(うすずみ)を使用し、上部に「白黒結び切り」または「双銀結び切り」の水引が付いたものを選びましょう。最近ではコンビニやスーパーでも「御玉串料」と表書きされた不祝儀袋が販売されています。
御玉串料の相場と金額の書き方
御玉串料の相場は基本的に仏式葬儀の香典と同様で、故人との関係性によって変わります。一般的な目安は以下の通りです。
故人との関係 | 金額の目安 |
---|---|
親族(甥、姪、いとこなど) | 10,000円〜30,000円 |
友人、知人 | 5,000円〜10,000円 |
会社関係(上司) | 10,000円〜30,000円 |
会社関係(同僚) | 5,000円〜10,000円 |
近所の方 | 3,000円〜5,000円 |
金額の書き方も仏式と同じく、数字の改ざんを防ぐために「壱萬円」「参千円」のように漢数字で書きます。また、新札は避け、一度人の手に渡った札(柔らかくなった札)を使用するのがマナーです。
御玉串料を渡すタイミングと方法
御玉串料は、通夜か葬儀の受付で渡すのが一般的です。受付では両手で丁寧に渡し、必ず氏名と住所を記帳します。
事情があって葬儀に参列できない場合は、弔電と共に御玉串料を送るか、後日弔問の際に持参するのがマナーです。その場合も表書きは「御玉串料」にします。
なお、神式葬儀に参列する際は、御玉串料を「香典」と呼ばないよう注意しましょう。仏教用語である「香典」という言葉は避け、「御玉串料」と呼ぶのが適切です。
神式葬儀での服装と持ち物のマナー
神式葬儀に参列する際の服装や持ち物についても、仏式とは異なる部分があります。適切な服装で参列し、必要なものを持参しましょう。
男性の服装と持ち物
男性の基本的な服装は黒の喪服(ブラックスーツ)です。ネクタイとポケットチーフも黒を選びます。靴と靴下も黒で統一し、装飾品は控えめにしましょう。
神式葬儀では、白い手袋を着用するのが一般的です。これは神道の清浄観に基づいており、神前で手を清めた状態で儀式に参加することを意味します。
持ち物としては以下のものを準備しましょう。
- 御玉串料(不祝儀袋に入れたもの)
- 白い手袋
- ハンカチ・ティッシュ
- 念のための現金(追加の御玉串料が必要になる場合も)
仏式葬儀と異なり、数珠は必要ありません。これは仏教と神道の大きな違いの一つです。
女性の服装と持ち物
女性も黒の喪服が基本です。スカートの場合は膝が隠れる丈のものを選び、黒のストッキングを着用します。靴も黒で、かかとが高すぎないものが適切です。
アクセサリーは最小限に抑え、派手なものは避けましょう。仏式ほど厳格ではありませんが、真珠の一連ネックレスとイヤリングなど控えめなものが望ましいです。
女性も男性同様に、白い手袋の着用が推奨されます。バッグは黒の布製のものが適切です。
持ち物は基本的に男性と同じですが、女性の場合は以下のものも考慮しましょう。
- 化粧直し用の最小限のメイク道具
- 髪をまとめるための黒いヘアアクセサリー
- 黒のストッキング(予備)
季節や気候に応じた服装の注意点
季節によって服装に若干の違いがありますが、基本的には黒で統一した喪服が適切です。
夏場は、男性の場合、黒の喪服が基本ですが、クールビズ期間中であれば黒のネクタイに白いワイシャツの組み合わせも許容されます。ただし、式場の冷房を考慮して薄手の上着を持参するとよいでしょう。
女性の場合も、夏場は薄手の黒の喪服が適していますが、半袖は避け、七分袖程度のものを選ぶのが無難です。
冬場は、男女とも防寒着として黒のコートを着用します。特に火葬場などの屋外での儀式もあるため、寒さ対策は必要ですが、派手な色や柄のコートは避けましょう。
神式葬儀でのお悔やみの言葉と挨拶のマナー
神式葬儀では、お悔やみの言葉や挨拶においても仏式とは異なる表現を使います。適切な言葉遣いで遺族に寄り添いましょう。
適切なお悔やみの言葉
神式葬儀では、仏教用語を避け、神道に適した言葉遣いをすることが大切です。特に「ご冥福をお祈りします」という表現は使わないようにしましょう。これは仏教用語であり、神式では不適切とされています。
代わりに以下のような表現が適切です。
- 「御霊(みたま)の御平安をお祈り申し上げます」
- 「謹んでお悔やみ申し上げます」
- 「心からお悔やみ申し上げます」
- 「御神前に謹んで拝礼いたします」
また、「成仏」「供養」「往生」などの仏教的な表現も避けるべきです。神道では故人は「神」として祀られるという考え方があります。
遺族への声かけと配慮
遺族に対する声かけは、簡潔で誠実なものが望ましいです。長々と話すことは避け、心からの哀悼の意を伝えましょう。
例えば、
- 「突然のことで、さぞかし御心痛のことと存じます」
- 「○○さんのご遺志を引き継いで、皆様でお支えしていきたいと思います」
- 「○○さんとの思い出を大切にしてまいります」
また、重ね言葉(「たびたび」「次々」など不幸が重なることを連想させる言葉)は避けるべきです。
弔電や手紙での表現方法
葬儀に参列できない場合は、弔電や手紙でお悔やみの気持ちを伝えることが一般的です。その際も神道に適した表現を使いましょう。
弔電の文例としては、以下のようなものが適切です。
謹んで○○様の御霊の御平安をお祈り申し上げます。
生前の御厚誼に深く感謝いたします。
○○(氏名)
手紙やメッセージカードでは、次のような書き出しが適切です。
拝啓
この度は○○様のご逝去に際し、謹んでお悔やみ申し上げます。
○○様の御霊の御平安を心よりお祈り申し上げます。
結びの言葉としては、「敬具」「敬白」などを使用します。封筒の表書きには「弔辞」や「弔詞」と記すのが一般的です。
神式葬儀における特別な場面での振る舞い方
神式葬儀には仏式とは異なる特有の儀式や場面があります。それぞれの場面での適切な振る舞い方を理解しておきましょう。
神職(神主)との対応
神式葬儀を執り行うのは神職(神主)です。神職に対しては敬意を持って接することが大切です。
神職からの指示があった場合は、速やかに従いましょう。また、神職に対して話しかける必要がある場合は、儀式の最中を避け、適切なタイミングで丁寧に話しかけるようにします。
神職が祝詞(のりと)を奏上している際には、静粛に参列し、必要に応じて指示された作法(一般的には二礼二拍手一礼)に従います。
通夜と葬場祭での参列マナー
神式葬儀における通夜は「通夜祭」と呼ばれ、故人の霊を慰める儀式です。また、主な葬儀の儀式は「葬場祭(そうじょうさい)」と呼ばれます。
通夜祭に参列する際は、まず受付で御玉串料を渡し、芳名帳に記帳します。通夜祭の時間内であれば基本的にいつ参列しても構いませんが、儀式の最中は静かに待機します。
葬場祭は本格的な葬儀の儀式で、定刻までに参列し、指定された席に着席します。儀式中は神職の指示に従って、拝礼などの所作を行います。
どちらの儀式でも、スマートフォンは必ずマナーモードにし、撮影は遺族の許可がない限り控えます。また、飲食物の持ち込みも避けるべきです。
火葬場での振る舞い
神式葬儀では、火葬場に向かう前に「発引祭(はつひきさい)」という儀式を行い、火葬場では「火葬場祭」を執り行います。
火葬場では遺族の近くに控え、神職の指示に従って儀式に参加します。一般的に、棺を火葬炉に入れる際には、参列者全員で見送り、最後の別れを告げます。
火葬の間の待機時間には、遺族と思い出話などをして故人を偲ぶことが多いですが、あまりに明るい話題や笑い声は控えるべきです。
また、骨上げの際のマナーも理解しておきましょう。神式では仏式同様、二人一組で骨を拾いますが、箸の使い方などの細かい作法は施設のスタッフや神職の指示に従うとよいでしょう。
神式葬儀に関するよくある質問と回答
神式葬儀に参列する際に、多くの方が抱く疑問について回答します。初めて参列する方は特に参考にしてください。
神式葬儀に参列する際の持ち物
神式葬儀では数珠は必要ありません。これは最もよくある質問の一つです。数珠は仏教の法具であり、神道の儀式では使用しません。
代わりに、白い手袋を持参すると良いでしょう。神式葬儀では玉串奉奠の際などに白手袋を着用するのが一般的です。これは清浄を重んじる神道の考えに基づいています。
また、御玉串料(香典)、黒い服装、ハンカチ・ティッシュなどが基本的な持ち物です。仏式と異なる持ち物に注意してください。
神式と仏式が混在する場合のマナー
最近では、家族の宗教観の多様化により、神式と仏式の要素が混在する葬儀も見られます。このような場合は、主となる宗教の作法に従うのが基本です。
例えば、基本は神式だが焼香も行う場合には、玉串奉奠の作法を主に覚えた上で、焼香の際には仏式の作法で行います。不明な点があれば、受付で確認するとよいでしょう。
香典の表書きについても、主となる宗教に合わせます。神式が主であれば「御玉串料」、仏式が主であれば「御香典」などと書きます。
地域による神式葬儀の違い
神式葬儀は全国共通の基本的な流れはありますが、地域によって細かい作法や慣習が異なることがあります。
例えば、東日本と西日本では玉串の作法に若干の違いがあるとされています。また、地域の氏神や産土神を祀る神社との関わりによっても、儀式の細部に違いが生じることがあります。
初めて訪れる地域での神式葬儀に参列する場合は、地域の慣習に配慮することが大切です。不安な点があれば、事前に地元の方や葬儀社に確認すると安心です。
神式葬儀のマナーを理解して敬意を表そう
神式葬儀のマナーについて、玉串奉奠の作法から御玉串料の渡し方、適切な服装や言葉遣いまで詳しく解説してきました。神式葬儀は仏式葬儀と比べて機会が少ないため、戸惑うことも多いかもしれませんが、基本的なマナーを押さえておけば安心して参列できます。
- 神式葬儀では「御霊の平安」を祈り、仏教用語(ご冥福、供養など)は使わない
- 焼香の代わりに「玉串奉奠」を行い、二礼二拍手一礼の作法を守る
- 香典は「御玉串料」と表書きし、数珠は不要だが白手袋を用意する
- 服装は基本的に黒の喪服だが、アクセサリーは仏式ほど厳格ではない
- 地域や家庭によって細かい作法が異なることもあるので、周囲の様子を見て行動する
故人と遺族に対する敬意を表すためにも、神式葬儀特有のマナーを理解し、適切に振る舞いましょう。不安な点があれば、事前に調べるか、当日は葬儀スタッフに確認することも大切です。心を込めた弔いの気持ちを持って参列することが何よりも大切です。